きょうだい児だった私が今まで歩んできた道 Since 2010
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結婚して1年が経った頃、私は妊娠した。
実家の近くに寄った時に
母に報告した。
「赤ちゃんができたよ。」
母の第一声は
「面倒みないからね。」
だった。
別に面倒見てもらおうなんて思っていなかったのに
どうしてそんな言い方するんだろうと悲しくなった。
私が勝手に母が喜んでくれると思っていただけなのか。
次の日、家で休んでいると母が訪ねてきた。
両手にスーパーのビニール袋を提げている。
「つわりはあるの?ご飯は食べられてる?」
ビニール袋の中にはみかんやクラッカー
タッパーに入ったお惣菜、小さな白いおむすびが
たくさん入っていた。
「私が暖かいご飯が駄目だったからね。
少しづつ食べられる時に食べたらいいのよ。
おかずはH君(夫)に出してあげたらいいわ。」
少しばかり世間話をしたのち、母は
「大事にするのよ。」
と言って帰って行った。
母が作ったおむすびを食べるのは何年振りだろう。
程良い塩味の小さなおむすび、とても美味しかった。
ありがとう、お母さん。
赤ちゃんができたこと、喜んでくれていたんだね。
私は、反射的に面倒は見ないと言ってしまった母の
今までの子育ての日々、これからもずっと続いて行くであろう
下弟との日々を思って、ちょっと切ない気持になった。
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