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夏休みが終わるなぁと実感する24時間テレビ。
あれが始まった頃の話。
母から小さい子を6人ほど半日家で預かるように言われた。
6人って多くない?私一人で大丈夫なのか?と思ったが母は
「健常児の兄弟の子だから大丈夫よ♪」と言う。
嫌だとも言えず、承諾した。
当日、母の仲間らしいお母さん方がたくさんやって来て
「よろしくお願いしますね。」と言って
子どもたちを置いてどこかへ出かけて行った。
私は何も聞かされていなかったが、障害児関連で
24時間テレビのイベントに参加していたのかもしれない。
小学校低学年位の子から一番小さい子は
よちよち歩きの赤ちゃんだった。
皆それぞれ本やお絵かき帳、おやつなどを持参して来て
びっくりするほど大人しく、
騒いだり喧嘩したりすることもなく過ごしていた。
私に対して本を読んでとか遊ぼうとかお腹すいたとか
言ってきた子はひとりもいなかった。
よちよち歩きの赤ちゃんでさえ、ニコニコしてずっと
私の膝に入って大人しくしていた。
私は赤ちゃんを膝に抱き、ぼんやりと手塚治虫のアニメを見ていた。
やがて夕方になり、お母さん方が迎えに来て
「ありがとうね。」とお礼を言って帰って行った。
ほっとしたと同時になんだかわからない違和感を覚えた。
今になって思えば、みんな「きょうだい児」だったんだ。
障害のある兄弟とずっと一緒にいて、無意識のうちに
小さいうちから他人に頼らず生きていく術を
身につけていたのかもしれない。
あの子らも30代になっているはずだ。
今頃どうしているのかしら。
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