[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
どういういきさつがあってそうなったのか全く記憶にないが、
あるとき私は矯正歯科に通うことになった。
私は歯並びなどどうでもよかった。
母と一緒に電車に乗って出かけられたことが嬉しかった。
しかし、母が一緒に行ってくれたのは最初の一度だけであった。
電車を乗り継いで2時間近くかけて行く場所だったが、2回目の
通院からは一人で行くように言われたのだ。
確か小学校4年か5年の頃だったと思う。
土曜日学校が終わるとすぐに電車に乗って出かけ
帰りは夜8時頃だった。
最初は不安だったが、すぐに一人で電車に揺られている時間が
好きになった。
乗り継ぎの電車を待っている間に駅ビルの地下で美味しそうな
お惣菜を見てまわったり、時々アイスクリームを買ったりするのが
楽しみだった。
その日も乗り継ぎの待ち時間に駅ビルの地下をぷらぷら歩いていた。
突然、誰かが私の肩を抱き、ぐっと引き寄せた。
中年の女性だった。
歩きながら
「一人なの?家はどこ?」
と聞いてきた。
なぜか私は誘拐されると思った。
「お母さんが向こうで待っています。」
と言って女性の腕から逃れて走った。
改札を通って電車に乗り込んだ。
助かった、と思った。
家に帰って母親に話すと
「あんた、補導員に捕まりそうになったのね。」
と言った。
* * *
今は学習塾などがあり、夜遅く出かけている小学生って
この辺でも珍しくないのだろうが、あの頃は夜8時過ぎに
駅ビルの地下でお惣菜を見てまわっている痩せぎすの
小学生がいたらそりゃ補導員さん、声掛けるわなぁと思う。
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |